Helga Aichinger(ヘルガ・アイヒンガー)の作品は日本語に翻訳されているものはキリスト教の題材が多いので、そうした絵本作家と思われている方も多いかも知れません。
勿論そのような作品も多いのですけれど、本書のように、宗教とはあまり関係のない愉快な絵本も描いているんです。
オーストリア出身で画家/絵本作家であるアイヒンガーは、1969年及び71年にはブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)にて、佳作及び金牌も受賞している、国際的にも評価の高い絵本作家でした。
でした、と言うのは今ではあまり顧みられていることの少ない作家だと感じているからです。
ドイツでも現在は新刊として流通しているものは無いようですし、日本でも翻訳されている2冊は絶版になって久しいですね。
この「The Elephant, the Mouse and the Flea」(英語版/ゾウとネズミとノミ)は1967年の出版ですね。(ドイツ語原初版は1966年)
アイヒンガーはこの時期1970年前後には幾つか絵本を出版しているのですが、そのどれもが素晴らしく、本書もそんな一冊なんです。
深い森の中で暮らしていたゾウとネズミとノミ。
ゾウはその森のなかで幸せだったのですけれど、ネズミとノミは、ここではない他の場所へ旅に行きたがっていました。
やがて、ネズミとノミに根負けしたゾウは、三匹連れたって森から旅立って行ったのでした。
様々なことが起こる道中、たどり着いた先の親切なエスキモーの親子。
とても印象的な、ゾウが風船で浮かんでいるこの絵本の表紙の絵、どうしてこうなるに至ったかは、是非この絵本を読んでみてください。
状態が少し悪いのが難点ですが、余り見ることのない絵本かと思いますのでぜひご覧下さい。
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