「DIE NIBELUNGEN」Carl Otto Czeschka

先日、目黒美術館の「世紀末ウィーンのグラフィック」に行ってきました。

この展覧会は今週末の日曜日までですが、現在は国立新美術館では「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が8/5まで、東京都美術館では「クリムト展 ウィーンと日本 1900」が7/10まで開催されており、現在東京ではクリムトを中心とした世紀末芸術/ユーゲントシュティール/ウィーン分離派の展覧会がとても充実していますね。

もう幾つか行かれた方も多いのではないでしょうか?

目黒美術館はまだ数回しか訪れたことがないのですが、いつもここの展示は素晴らしいなあと感じますね。今回の展覧会もコンパクトながら充実した内容で、なんと言いますか、いつもこの美術館の規模を充分に活かした展示をしている感じがありますね。過不足なく行き届いた、丁寧な展示になっているといつも感じるのです。

ドイツ語圏の世紀末芸術、この辺りが特に専門というわけではないので明るくはないのですが、当店にもまだオンラインストアに出していないのもので、この辺りの面白い本が幾つかあるなあと気付き、と言った次第で本日はこの辺りの本を中心に更新しております。

紹介したいものが多いのですが、とりあえずこちらの一冊を。

「DIE NIBELUNGEN」Carl Otto Czeschka

これはゲルラハ青少年叢書という34冊の児童書シリーズの中の一冊です。展覧会ではオリジナル版が展示されていましたがこちらは復刻版です。

ウィーン分離派は純粋芸術と応用芸術を異なったものとしては扱わず、人々の生活の中により芸術が入っていくことをその理念の一つとしていました。

そうした活動の中で生み出された子どものための本のシリーズがそのゲルラハ青少年叢書で、著名な芸術家たちが挿絵、ブックデザインを手掛け、それぞれに素晴らしい本を造ったのでした。

「DIE NIBELUNGEN」はテキストを書いているのFranz Keim、お話は、あのワーグナーのニーベルングの指環の発想源になっている、ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」および「ニーベルンゲン伝説」をもとに書かれたものですね。

絵を描いているのはCarl Otto Czeschka(カール・オットー・チェシュカ)、ウィーン分離派、ウィーン工房を代表するデザイナーの一人です。

そんなチュシェカの代表する仕事がこの「DIE NIBELUNGEN」美しい装飾と繊細な表現、色彩も黒そして金を多用し、ウィーン分離派の特徴がよく現れたとてもとても美しい一冊になっています。


当店のゲルラハ青少年叢書はこちらです。

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