ドイツの絵本作家Else Wnz-Vietor(エルゼ・ヴェンツ・ヴィエトール)の「Das arme Mariechen」1979年/復刻版/ペーパーバックの、可愛らしい絵本です。
表紙に描かれている人形、Marieshen=マリーちゃんの身に降りかかる様々な不幸な出来事が詩で歌われている絵本です。
人形を描いた絵本と言うと、フランスのアンドレ・エレがすぐに思い浮かびますけれど、エルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの人形も素晴らしいですね。
と言うより、ヴェンツ・ヴィエトール、絵が上手すぎませんか?
絵の単純化と、繊細な描写の融合がものすごく高いレベルで行われており、そしてまた、一見した印象ではその上手さが前面に出ていない感じがするのもすごいですね。そこには自分の作品が子どものための絵本であることの揺るぎない自負があるようです。
こういう絵を描ける人のことを、ほんとうに絵が上手いと言うのだろうなあ、とため息してしまいます。ドイツの絵本の歴史の中でも、一番絵が上手いと言っても過言ではない気がします。
(日本ではこうした「上手さ」は、林明子さんなどが持っているでしょうか)
可愛そうなマリーちゃん、犬に水溜りに落とされ、鳥のヒナには服をボロボロにされ、髪の毛は取られ…、でも最後には親切な小人に拾われて、なんとか元に戻ることはできそうです。
まだエルゼ・ヴェンツ・ヴィエトールの絵本に触れたことのない方には、ぜひ見てもらいたい絵本です。
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