先日放送されていた日曜美術館のスズキコージさんの回を録画していたので、ようやく今日見たのですけれど、皆さんは見ましたでしょうか?
スズキコージさん、好きだなあ。コージさんのことをよく知っている人は皆思うと思うのですけれど、日曜美術館のコージさんよりも、実際のコージさんのほうが、100倍変な人ですよね。
もうちょっと前になってしまいますけれど、大竹昭子さんの「ことばのポトラック」のイベントで、スズキコージさんが出演されていて(その時は保坂和志さん、堀江敏幸さん、長島有里枝さんなどもいらっしゃり、とても豪華でした)、あの時のコージさん、最高だったなあ、としばしば思い出します(たしか本でも読めます→「ことばのポトラック」)。
さてさて、当店でもスズキコージさんの絵本はいつも色々とあるのですけれど、ちょっと珍しいのはこちら「戦いのメルヘン ハイネ詩絵集」です。
1969年刊行のもので、もちろん現在は絶版、まだ鈴木康司、と漢字表記の頃の作品ですね。
ハイネの様々な作品の詩の一節にコージさんが絵を付けている、函入の、画集と言っても良いような形の本です。
選ばれたハイネの詩は、ある一つのテーマのもとに選ばれた、と言うわけではないようですけれど、何処か共通する部分を持ったものも感じさせます。
いいえ、そう感じるのは、コージさんの絵によって、そう思うのかもしれません。
幼さと言うよりも、素朴さと言うよりも、もっともっと澄んだもの。
コージさんの絵と、ハイネの詩の、楽しくも美しい共演です。
多くの詩が載っているのですけれど、ひとつだけ抜粋を。
ぼくは不信のトーマスだから
むろん天国は信じません
ローマやエルサレムの
お宗旨が約束するものなんぞは
けれど天使がいるということは
一度もうたがったことはありません
まったく申し分のない光の子らが
この地上に歩いていますもの
でも奥さん その天使らに
翼なんぞはありません
いるんですよ 翼のない天使が
この目でぼくは見てるんです
その白い手でやさしく
そのきれいな目でやさしく
人間を保護してくれるんです
わざわいを避けてくれるんです・・・
コージさんの絵と詩って、とても相性が良いと思うのですけれど、他にもなにかあったでしょうか。「まざあぐうす」くらいしか思い浮かばないのですけれど…。
他にもスズキコージさんの挿絵による詩画集、出して欲しいなあ、なんて思いますね。
本書以外にもスズキコージさんの絵本は色々ございますので、ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。
当店のスズキコージさんの本はこちらです。
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