「HASENBUCH」K.F.Edmund von Freyhold Christian Morgenstern

今日、明日でまだほんの少しだけ残されていた、冬の名残ももうお終いでしょうか。

いつの間にか4月ですね。今年の復活祭は4月21日です。

復活祭で、すぐ思い出すのは「クラバート」(プロイスラー/ホルツィング)の復活祭の夜の場面。

荒野の中、見捨てられた十字架の下で焚き火を起こして夜を過ごす、あの美しい夜空。日が明けて、村から行列を作ってやってくる乙女たち…。あれはきっと、復活祭が早い年の場面である気がしますけれど。

もうすっかり暖かくなった頃の復活祭(今年のような)の年なのかな、と思うのは

「HASENBUCH」K.F.Edmund von Freyhold

でしょうか。

20世紀初頭に活躍したドイツの画家、絵本作家のK.F.E. von Freyhold(フライホルト)の絵本です。

オリジナル版は美しい石版画で刷られた美しい絵本で、あの詩人のリルケにも愛された画家です。

堀内誠一さんはフライホルトの作品を「マチスのような色で現代美術を絵本に取り入れた」と紹介もしています。

1908年のフライホルトの「Osterbuch(HASENBUCH)」(本書のことです)によって、(当時の)現代美術の潮流を汲んだ、大胆な配色の実験、形の簡略化が美しい一冊の絵本として結実し、子どものための本の新しい表現を切り開いたのでした。

美しい春の光の中で、イースターバニーや子どもたちが、新しい自然の命を喜ぶ様が描かれており、読者に幸福な気分を味あわせてくれます。

アンドレ・エレ、フランソワーズ、遠く日本では西巻茅子さんなど、他にも数多くの絵本作家たちの、源流のひとつであるこのフライホルトの作品。

今回当店に入荷した「HASENBUCH」は1978年の復刻版、出版社はインゼル文庫でも知られるInsel Verlagです。


当店のフライホルトの絵本はこちらです。

0コメント

  • 1000 / 1000