淡く、暗い。
そんな相反するかのような形容詞が、その絵の中では見事に調和している、不思議に魅力的な絵本を描くのは、Bozena Truchanowskaです。
以前ハンガリーへ買い付けに行った際にはハンガリー語版を買うことが出来た、ポーランドの絵本作家Bozena Truchanowskaのシンデレラの絵本、先日その原書であるポーランド語版のものが入荷したしました。
Bozena Truchanowskaはポーランドでは100冊ほどの絵本作品を出版しており、またその代表作のひとつでもあるシンデレラは、幾つもの国で翻訳出版されております。
しかし日本ではまだほぼ知られていない作家と言っても良いでしょうか。
ポーランド絵本は1960年頃〜70年代の終わり頃まで、同じ東欧のチェコスロヴァキアなどとともにひとつの黄金期を迎えていたのですが、再発見されもう一定の評価のされているチェコ絵本とは異なり、ポーランドの絵本は、今でもまだマイナーな位置に留まったままであるかもしれません。
その黄金期の代表的な作家のひとりでもあるのが、このBozena Truchanowskaです。
この作家の特徴はやはりその色彩感覚でしょうか。
水彩で、淡い色をとても美しく使うので、一見所謂ガーリーとでも言ったような形容詞も浮かぶのですが、その作り出す画面全体では暗い色調も多く見られます。
古い物語の持つ、きらびやかさと恐ろしさ、そうしたものを表現するかのように、可愛らしさと、不思議な暗さが見事に調和した非常に独特なイラストで、見るものを驚かせてくれるのです。
Bozena Truchanowskaの絵本はこちらです。
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