「Jimmy und die Eisenbahn」Luis de Horna

絵本が素晴らしいなあ、と思うときはたくさん、色々なことで、様々にあるのですけれど、そのひとつに、まるでおもちゃ箱の中の世界がそこに実現しているような、そんな素朴な夢が実現されていて、すごいなあと思うことがあります。

自分の親しい、いつも使っている玩具を使って楽しい物語を創り出す。それはきっと、少し乱暴に言ってしまえばただの子どもの遊びなのかもしれないのですけれど、でも素晴らしい絵本はそれだけじゃないんです。いや、それだけではあるんですけれど。そんな簡単なことじゃないのです。

もし自分が一流の子どもだったら、とてもこんな風には遊べないや、なんてその絵本を見てタメイキついてきっと感心してしまいます。

先日入荷したこちらの絵本「Jimmy und die Eisenbahn」はスペインの絵本作家/児童文学作家、Luis de Horna(ルイス・デ・オルナ)のドイツ語版の絵本ですが、この絵本も、そんな一冊です。

ずっと汽車で旅をしたいと思っていた、ひとりの子どもジミーと、仲良しの青い猫。そんな二人をある夜に、家の庭まで汽車が迎えに来て、不思議な旅へと連れて行くのでした。

スペインの作家の本は当店ではそこまで多くはないのですけれど、この作家は、スペインにもきっと自分の知らない素晴らしい作家さんがたくさんいるんだろうなあ、と思わせてくれる、個性的で魅力的な世界をその絵本の中で見せてくれています。

絵の雰囲気ではチェコのヨゼフ・パレチェクやハンガリーのカス・ヤノシュなどとも似た魅力を持っているように感じますね。(この二人も素晴らしいおもちゃ箱の世界を創り出す作家ですよね)

ルイス・デ・オルナの絵本は「たいくつした王子さま」(1978年)という絵本が、日本でも翻訳されて出版されていましたが、随分前から絶版になってしまっています。

楽しい楽しい絵本の世界を創り出す作家さんです。

ぜひオンラインストアの方でも御覧ください。


当店のルイス・デ・オルナの絵本はこちらです。

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