ノーベル賞作家、ラドヤード・キップリングの小説「ジャングル・ブック」にポーランド出身の絵本作家ヨゼフ・ウィルコンが挿絵を付けたポーランド語版ジャングル・ブック「Księga dżungli」を先日更新しました。
キップリングの「ジャングル・ブック」はディズニー映画のイメージが自分は強いですね。自分の記憶の中のディズニーアニメの中では最初期の気がするのですが、もしかしたら絵本(フィルムブック)などで見ていただけで、映画は見ていないかもしれません…。
ジャングル・ブックは今では児童文学の古典としていまなお愛され、数年前にまた映画化されたこともあり、日本でも、今では定番の岩波少年文庫だけでなく、新潮文庫や文春文庫でも読むことが出来ます。
さてそんな名作にヨゼフ・ウィルコンが挿絵を付けたこの本ですが、ウィルコンの挿絵が本当に素晴らしいです。
この作品の中では夜のジャングルの表現が多いのですが、それが、ディズニー映画で持っていたこの作品の印象を全く違うものに変えてくれます。
暗い森のなかの神秘的な空気、その闇の中に身を潜める動物たちの息遣いが聞こえてくるようです。
古本屋ということもあり、現代のものよりも、古い絵本の印刷に惹かれることが多いのですが、この絵本は別かもしれません。
現代の絵本で多く使われているコート紙とウィルコンの絵の感触がとても調和しているように感じられます。ウィルコンの使っている技法と相性が良いのでしょうか。
ハードカバーの200ページを超えるボリュームの本の中にフルカラーのイラストは多数入っており、まるでウィルコンの画集のようにも思えてくるほどですね。今までに見たウィルコンの作品の中でも1番好きかもしれません。
ほんとうに美しい作品です。
当店のヨゼフ・ウィルコンの絵本はこちらです。
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