寒い日には暖かい部屋で、部屋ごと暖めなくても、となりにストーヴを置いて、それか炬燵の中や布団に潜り込んで、本の頁を夜にゆっくりと捲ることが、とても贅沢に感じられるから、寒い日も好きです。
部屋ごと暖めないと頁をめくる手だけ冷たくなってしまうんですけど。
日本では「てぶくろ」そして「マーシャとくま」の絵本で知られている20世紀ロシアを代表する絵本作家、エヴゲーニー・ラチョフのロシア民話集の絵本を本日は更新しております。
ロシアの冬は比べものにならないくらい、もっと寒いだろうなあ、なんて考えてもあまり意味はないのですけれど、ラチョフの絵を見ると、その寒さより、寒さの中の暖かさを、とても強く感じます。
クレヨンと、多分水彩も使っていると思うのですが、それらの感触が、まず暖かいですね。素朴で、不器用さと繊細さが入り混じったようなラチョフの不思議な筆致は、そのロシアの自然の中からしか生まれないであろう寒さと、そして暖かさを感じさせてくれるのです。
描かれているのはイソップ寓話のような、動物たちのお話です。ずる賢い動物、間抜けな動物。彼らが身にまとう服も、彼らが暮らす家なども、恐らくロシア特有のもので、そうした目で見ても、面白い絵本です。
この絵本は1974年発行のロシア語の絵本ですけれど、日本語の解説冊子が付いています。この絵本はほるぷ出版が1970’s〜80’sにかけて販売していた「原本ほるぷ世界の絵本」のシリーズ(ほるぷ出版が世界の優れた絵本をセレクトし原書を輸入して十数冊をセットとし、解説などを付けて販売していました)のうちの一冊として輸入/販売されたものなのです。
解説冊子にはお話の日本語訳が掲載されていますので、ロシア語が全くわからない方でも(自分ももちろんそうです…)、楽しめるかと思います。
このシリーズの中でも特に人気の一冊なので、気になる方はぜひオンラインストアの方でもご覧ください。
当店のラチョフの絵本はこちらです。
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