本日はクリスマス絵本を多く更新させて頂きました。
既にたくさんのご注文を頂いており、誠にありがとうございます!
定番モノから珍しいものまで(珍しいものばかりの気もしますが…)ございますので、是非御覧ください。
こちらはナンシー・エコーム・バーカートが挿絵を描いた、アンデルセン童話の「もみの木」です。
後書き訳者の中村妙子さんが書いていますが「クリスマス童話と片付けるには複雑な余韻が感じられる」作品ですね。
森のなかの小さかったもみの木が、やがて大きくなり、クリスマスツリーとして切られ、そして最後には薪になって燃えていくまでのお話です。
小さかったもみの木は、大きくなることを願い、周りの大きな木が次々に切られていくことを羨ましがっていましたが、やがて自分の番になって運ばれていってしまうと、その森のなかにいたことがどんなに幸せなことだったか、思い至るのでした。
運ばれていったお屋敷のクリスマスイブの晩、もみの木は飾られ、子どもたちに囲まれ、幸福の絶頂を体験するのですが、それもその時には、もみの木自身は気付くことが出来ずに、すべては過ぎ去った後に、ただひとり思い出すときにあれが幸福であったのだと思うだけなのです。
アンデルセン自身の人生観を感じるような作品で、この後を引く寂しい余韻は、様々な経験をした大人の人にこそ響くのではないでしょうか。
今日の横浜は夏を感じるような暖かい一日で、日が沈んでも南風は何処へも行かず、師走とはとても思えない日でしたけれど、いつかの夏の日を、夏の夜を自分も思い出して、すべてが過ぎ去っていったとはいえ、その思い出すことの幸福を、南風の中に感じていた日でもありました。
バーカート挿絵の「もみの木」は日本版、アメリカ版ともにございます。日本版とアメリカ版では開きが逆になっていること、またカバーを外すとアメリカ版は布装になっているところなどが主な違いでしょうか。
どうぞオンラインストアの方でも御覧ください。
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