「SONGS FOR LITTLE FOLKS」「LONDON CRIES」

オフィーリア、恍惚の表情を浮かべながら、小川を流されていく。

シェイクスピア「ハムレット」の悲劇のヒロインの死の場面をこの世のものとは思えない美しさで描いたその作品で、日本でも名の知られているラファエル前派を代表する画家、ジョン・エヴァレット・ミレーですけれど、挿絵画家としても高い名声を得ていることは、ここ日本ではそこまで知られてはいないのではないでしょうか。

挿絵の仕事の代表作としては、トロロープの小説、テニスンの詩の挿絵本などがよく挙げられます。

こちらの「SONGS FOR LITTLE FOLKS」はそうした一級の仕事と比べると大分劣ってしまうのですけれど、それでもこの稀代の画家の、子どものための本の挿絵

というだけでも、見る価値は十分にあるかと思います。

賛美歌や童謡を集め、その楽譜と歌詞、そしてミレーによる挿絵からなる可愛らしい本書は、ほるぷ出版のオーピーコレクションの復刻版として出版されたものの一冊です。

ヴィクトリア朝期の子どもの本を、美しい造本/状態で、またお手軽な値段で楽しめます。

また隣に写した、紙のパッケージに包まれたものもその一点で、これは「LONDON CRIES」という、ロンドンの呼び売りの声をABCのカードにしたものです。

元の発売は19世紀前半のものと見られ、この時代のロンドンには多くの物売りが、呼び声を上げながら商売をしていたそうです。

この物売りたちを題材にしたものは、子どもたちの人気を博し(なんとなくわかりますよね)本やカードになって多く販売され、これもそんなものの中の一つなのです。

どちらも面白く、楽しい本/カードです。是非オンラインストアの方でもご覧ください。

当店のオーピーコレクションの在庫はこちらです。

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