「CESAR LE COQ DU VILLAGE」Philippe Dumas

こちらは当店のお客様の中にもファンの多いPhilippe Dumas(フィリップ・デュマ)の「CESAR LE COQ DU VILLAGE」です。

ある町の、教会の尖塔に暮らす一羽の風見鶏であるセザールの、ある年の復活祭のお話です。

その日雷に打たれたセザールは教会の庭へと落ち、そこからいつも眺めていた町を巡っていきます…。

お話はそんな感じなのですが、フィリップ・デュマのお話の描き方が、とっても面白いです。

この風見鶏が町のあちこちをさっさと巡っていく様子を、風見鶏の語り口でテキストは進んでいくのですが、絵の方はまったく違って、この風見鶏を追いかける町の人々が延々と描かれていきます。

神父さんのところから修理工、市長、雑貨店、パン屋、肉屋、お巡りさん、町で暮らす様々な人々を訪問し、すばやく回って行くセザール。そして、セザールを追いかける町の人々はどんどんと増えていきます。

最後には、そんな追いかける人々を横目にセザールは友達のカモメの背中に乗ってひとっ飛び。そして元いた尖塔へと戻っていくのでした。

フィリップ・デュマの描く町の人々、様々な職業の人が登場するので、それはまるでフランスの小さな町の、人々の図鑑のようでとても面白いです。

また彼の描く絵の、風が吹き抜けるような爽快さ、勢い、リズムの良さが、このセザールの町の中を走り抜けていく様子を体現しているように感じられ、どんどんページをめくるのも楽しい絵本です。

当店在庫品は1978年フランス語原書版。紙の感じ、印刷もよく、カバー付きで状態も良いです。

当店フィリップ・デュマの本はこちらです。

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