おばけ。
やっぱり幼い頃にはそれって怖いもので、だからそんな「怖いもの」、おばけと友だちになれるだなんて言うのは、すごくすごく魅力的に感じられていた気がします。夜と友だちになる、そんな風に。
おばけの絵本って色々ありますけれど、その中でも私が一番好きなのはこの「おばけのラーバン」かもしれません。
日本でもそれになりに知られていると思いますが、多分「キャラクター」として知られていて、絵本の作品としては実はそこまで知られていないと思っているのですが、如何でしょうか。どんな風にラーバンたちが描かれているか、パッと思い浮かぶでしょうか?
キャラクターとしてだけ知っている方は、絵本を見ると吃驚すると思います。この絵本、なんと言っても、すっごくオシャレなんです。
20世紀後半の、スウェーデン絵本界を代表するこのシリーズを生み出したインゲル&ラッセ・サンドベリはこの「おばけのラーバン」以外にも多くの作品を作り出してもいます。
先日、このインゲル&ラッセ・サンドベリのドイツ語絵本を2冊、英語の絵本を1冊更新しました。英語のものは「おばけのラーバン」のシリーズ「LITTLE SPOOK HAUNTS AGAIN」と言う作品で、ドイツ語の2冊のものはラーバンとはまた違った作品です。
このおばけのラーバンのシリーズの1冊でもある「LITTLE SPOOK HAUNTS AGAIN」はある日、ラーバンのお父さんが病気になってしまうお話ですね。
病気になって真っ赤になってしまったお父さんに代わって、ラーバンと王子様(英語版では「ラーバン」「ブース王子」と言った名前は出てきませんが…)が協力してお父さんの仕事(おばけとして怖いことをする)をやってみるのです。
最初の夜、真っ赤な病気のお父さんは、次の日には真っ青になって、その次は黄色に、次は緑に、ピンクに、と毎日毎日色が変わっていってしまう不思議な病気になってしまったので、毎日ラーバンと王子はお父さんの仕事をやってみるのですが、どれもうまくいきません…。最後には真っ黒になってしまったラーバンのお父さんはうまく仕事のできない二人を見かねて…。
おばけの絵本だからといっても全然怖くない、とってもとっても楽しい絵本です。
そして何より、インゲル&ラッセ・サンドベリの絵本は絵が素晴らしいです!
その画面の大部分はコラージュで作られているのですが、そのセンスに脱帽です。現代で似た作家、と思うとベアトリーチェ・アレマーニャでしょうか。アレマーニャが好きな方には是非見て頂きたいです。
デザインの観点から見ても優れた部分がたくさん見て取れると思いますので、この人達の作品はデザイン関係の方にもおすすめです。
怖かったおばけが怖くなくて(ラーバンは実は怖がりのおばけなんです)、一緒に遊んでくれる楽しいともだちになる。
その絵もとってもオシャレなので飾っても楽しい、そんな絵本です。
入荷したこの3冊は、どれも70年代の刷で、紙や印刷の雰囲気もあるので、とってもオススメです。
インゲル&ラッセ・サンドベリの当店の在庫はこちらです。
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