「はじめてのどうぶつえほん」チャルーシン

ロシアの絵本作家チャルーシン、と言っても、日本で紹介されているチャルーシンの絵本には、エフゲーニィ・チャルーシン、ニキータ・チャルーシン、ナターリア・チャルーシン(チャルーシナ)の三人のチャルーシンがおります。しかもどのチャルーシンの絵本も、自然の中で暮らす動物の姿が描かれたものばかりです。そして、その視点やタッチもよく似ています。それもそのはずで、実はこの三人は1901年生まれのエフゲーニィ・チャルーシンに始まり、1934年生まれの息子ニキータ・チャルーシン、そしてその娘のナターリア・チャルーシンと、親子三代にわたって動物画を描いてきました。その画風も、父から息子へ、そしてその娘へと受け継がれていったのですね。

本日紹介する「はじめてのどうぶつえほん」は、エフゲーニィが文章を手がけ、息子ニキータが絵を描いたものです。「あつい国とさむい国の動物たち」「森のなかで」「家畜たち」にテーマが分けられ、それぞれ14種類ずつ、全部で42種類の動物たちがエフゲーニィの広い知識とユーモラスな文章で紹介され、ニキータの素朴で温かみのある色彩に、細やかなタッチで触りたくなるような毛並みの動物たちの絵が添えられています。

タイトルどおり、子どもが図鑑の前に触れるはじめてのどうぶつ絵本にも良いですし、大人が読んだり鑑賞するのにも十分楽しめる内容になっています。

その文章からも、絵からも、動物たちに対峙する二人の作家の愛情が存分に伝わってきますよ。

この絵本は、他社では扱ってこなかったようなソビエト・ロシアや東欧に関係する本を昔から出版してきた新読書社が、モスクワのラードガ出版社とともに、日ソ共同出版として発行されました。こうした日本と海の向こうの国との出版社のつながりで一冊の絵本が生まれたのだと思うと、なんだか誇らしい気持ちになりますね。

ちなみにニキータの娘、ナターリアの本も当店で何度か入荷しております絵本「おしゃべりなもり」などで邦訳版を楽しむことができます。おじいちゃんから孫娘まで、とっても似ている三人の絵の、それぞれの魅力を見比べてみるのも面白いかもしれません。

ご興味ございましたら、是非サイトの方で御覧ください。

当店のチャルーシンの本の在庫はこちらです。

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