「近代絵本の父コールデコット絵本名作集」ランドルフ・コールデコット

本日はちょっと変わった絵本が入荷しております。

「近代絵本の父コールデコット絵本名作集」と言うタイトルのこちらの本はなんと文庫サイズの本。このサイズの本の中にコールデコットの作品が8作品も収められているんです。

現在の「絵本」と言うものの雛形を作ったと言われる、ヴィクトリア朝時代の絵本作家が三人います。ウォルター・クレイン、ケイト・グリーナウェイ、そしてもうひとりがこのランドルフ・コールデコットです。

先に名を挙げた二人の画家とはっきりと違う点は、コールデコットの作品には瀟洒ではなく躍動が溢れています。美しさよりも楽しさが先に立ち、まさに子どもに絵を見る喜びを与えてくれる絵本なのです。

コールデコットは後の絵本作家たちにも大きな影響を与え、モーリス・センダックはコールデコットへの尊敬を多くの場所で口にしていますし、ピーター・ラビットで知られるビアトリクス・ポターはそもそも画家になる決心をしたのがコールデコットの絵を見たからと言う話もあるそうです。

ポターについては少し面白いエピソードがあります。

コールデコットは1880年過ぎには絵本を幾つも出版するようになり、その評価も高まり、コレクターたちもその原画も高く買うようになっていました。

1884年、ロンドンのある画廊がコールデコットの「かえるくん」の原画を2枚ルパート・ポターという裕福な弁護士に売りました。この弁護士はサウス・ケンジントンに家を持っており、その原画はこの家に飾られました。

弁護士の娘はその絵をとても気に入り、自身も画家になる決心をしたのですが、その娘というのがビアトリクス・ポター本人なのです。

(「疾走した画家ランドルフ・コールデコット」レナード・S・マーカス著より)

そんな「近代絵本の父」と言われるコールデコットの作品をまとめて見ることが出来るのが本書なんです。

絵をじっくり見るには小さなサイズなので少し物足りないのですが、文庫サイズの絵本というのはモノとして面白いですよ。

原作と同じサイズの復刻版もオンラインストアでは一緒に並べておりますので、どうぞ御覧ください。


当店のコールデコットの本の在庫はこちらです。

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