当店でも度々紹介しており、偏愛する作家の一人でもありますリスベート・ツヴェルガーの作品集「THE ART OF LISBETH ZWERGER」(英独二ヶ国語表記)が本日入荷しております。
ツヴェルガーがなんとまだ6歳の頃の絵から、1993年の「鼻のこびと」までの作品が年代を追って見ることが出来る作品集です。
その画風も年月を経て変化していき、初期の頃は20世紀の挿絵画家、例えばアーサー・ラッカムの影響などが強く感じられますが、次第にそうした影響下からは完全に抜け出した、非常に洗練された清廉な絵を見せてくれます。
個人的に好きなのは、この上げさせて頂いた写真の「The Canterville Ghost」(オスカー・ワイルド)の絵です。
初期の頃から現在の作風(と言っても今でもまだその絵は変化しているのですが)のあいだの絵で、そのどちらのエッセンスも現れていると感じられます。
ツヴェルガーの絵で特徴的な、まるで風を感じるような人物の軽やかな動きと、清潔感、そして何か、それは色彩から来るのでしょうか、ほんの少しの哀しみが、そこには感じられるのです。
場面は幽霊と少女が手を取り、異世界へと向かう場面。
少女はその優しさから、幽霊を成仏させようとその幽霊の誘いに乗って手を取っていくのです…。
原作のオスカー・ワイルドの小説は日本語でも読むことが出来ますが、このツヴェルガーの絵本は日本では翻訳されておりません。
この作品集では他にもリスベート・ツヴェルガーの多くの作品の絵を見ることが出来ます。製本もちょっと変わったカバーを使ったもので面白いです。是非オンラインストアのほうでも御覧ください。
当店のリスベート・ツヴェルガーの本の在庫はこちらです。
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