ウォルター・クレインの代表作の一つ「THE BABY’S OPERA(幼子のオペラ)」そして「THE BABY’S BOUQUET(幼子の花束)」の初期の刷の本(100年以上前の刷の本です)をオンラインストアに更新しております。
絵本の歴史のに燦然とその名を残す、イギリスの絵本作家ウォルター・クレインは彫版/刷師のエドマンド・エヴァンズと組み、トイ・ブックスというシンプルな製本の絵本のシリーズでそのキャリアを1860年頃にスタートさせました。
このシリーズで出版した作品を通して二人はその芸術に一層磨きをかけ、それまでは手彩色が中心だった絵本に美しいカラー印刷の技術(多色刷木口木版)を持ち込み、素晴らしい作品を幾つも生み出しました。
トイ・ブックスのシリーズから手を引いたのは1876年、そしてその翌年に再びエヴァンズとともにこのBABYシリーズ(幼子シリーズ)の最初の作品として「THE BABY’S OPERA」を出版しました。
トイ・ブックスで培った二人の美しい色彩の印刷技術をそのままに、クレインによる細部にまでこだわった装飾デザイン、イラストが全てのページに敷き詰められたこの歌曲集は、たちまち話題となり版を重ね、その第二弾である「THE BABY’S BOUQUET(幼子の花束)」もすぐさま制作され、それらはクレイン/エヴァンズによる仕事の代表作として絵本の歴史にその名を刻みました。
この豪華で美しい歌の絵本はイギリスのみならず各国で愛され、またその美しさに魅了された同時代の作家たち、後世の作家たちは数知れず、数多の絵本作家、芸術家たちに多大な影響を与えました。
その一人には当店でも人気の、フランスのブーテ・ド・モンヴェルもいます。彼の代表作の一つでもある「CHANSON」シリーズは(庭園美術館にはこの絵本の古い刷りのものを持って行きますよ!)このクレインの絵本に多大な影響を受けていると考えられますね。
日本ではあまり見る機会のない、古い、とても美しい絵本です。
オンラインストアでは初期の刷のものの他に1980年頃の刷と思われる「THE BABY’S OPERA(幼子のオペラ)」も一緒に上げております。当時のエヴァンズによる刷のものと比べるとお求めやすいお値段になっていますので、こちらもオススメです。
後年のものと実際に見比べてみるとハッキリと違いが感じられるのは大きなカラーのイラストですね。色の鮮やかさが全く違うので、ちょっとびっくりしてしまう程です。そのイラストから匂いが立ち上がってきそうなほどに、暖かさと芳醇さというようなものが感じられます。
並べて見比べてみなければ最近の刷のものでも十分そのイラストの良さを味わえると思いますので、是非オンラインストアの方でもご覧ください。
当店のウォルター・クレインの絵本はこちらです。
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