「VOM GEIZIGEN HAHNCHEN」Zdenek Miler

いつも水曜日は新入荷商品の更新はしていないのですが、明日はまた更新が出来ないため代わりに本日更新をさせて頂いております。

そんな中から少し変わった一冊がこちらの「VOM GEIZIGEN HAHNCHEN」(ドイツ語版)と言う絵本です。

絵を見てすぐわかる方もいるかと思いますが、こちらはチェコの国民的キャラクターでもある、もぐらのクルテクの作者ズデネック・ミレルの絵本ですね。

何が変わっているかというと、中の画がフィルムコミックのように、アニメーションのセル画を使ったような画が使われているのですが、それが今でもよく見るフィルムコミックとは違ってツヤツヤしたコーティングされた紙ではなく、紙の暖かい質感を感じる紙に印刷されているんです。

1958年刷(ドイツ語版ですが印刷はチェコスロヴァキアです)の絵本なので、こうした紙が使われているのは自然ですが、今の時代の眼から見ると、なんだかアナログとデジタルの感触が混ざったような不思議な感触で、とても新鮮に映ります。

ミレルがクルテクを生み出したのが1957年ですが、この絵本の元となったアニメーション「おんどりとめんどり」(ズデネック・ミレルの世界Vol.3に収録されているようです)は1953年の作品で、ミレルのキャリアの中でも初期の方の作品ですね。

本編の部分の絵も不思議な感触で面白いのですが、写真に上げた見返しの部分が個人的にはお気に入りです。この時代のチェコの印刷技術の高さが覗われるような印刷です。こうしたアニメーションを本にしたフィルムコミック/フィルム絵本は数多くありますけれど、その中でも特に素晴らしい一冊だと思います。

ミレルのファン以外の方にも、広くお薦めできる絵本です。


ズデネック・ミレルの本の当店の在庫はこちらです。

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