詩人のポール・エリュアールによる童話「グランデール」を絵本にしたものがこの本です。
エリュアールと言うと個人的にはすぐに大島弓子さんの「ローズティーセレモニー」を思い出してしまいます。
ぼくの生徒の日のノートの上に
ぼくの学校机と樹木の上に
砂の上に 雪の上に
ぼくは書く おまえの名を
で始まるエリュアールの「自由」という詩が全編に引用されている素晴らしい作品です。
エリュアールはブルトン、ツァラなどと交流を持ちダダからシュルレアリスムへ、そして戦中には自由を謳った/歌った、フランスの詩人で、そのエリュアールが残した唯一の童話がこの絵本です。お話は父が、幼い娘に語るスタイルで書かれており、ある小さな女の子「グランデール」が鳥たちと仲良くなるうちに鳥になりたいと願い、そして鳥になってしまうお話です。
お話の豊かさとともに、語り手の、娘を思う視線の優しさに、心が柔らかく震えるようなお話です。
「わかるかい きみはどんどん大きくなってゆく きみにことをかんがえている わたしのむねいっぱいに きみは飛ぶすべを知らないけれど こんなにもわたしのすぐそばにいる」
繊細で、それでいて柔らかいオードリー・フォンドゥカヴさんの絵も、この作品を一層魅力的にしています。
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