「いたずらロラン」ネリー・ステファヌ作 アンドレ・フランソワ絵 Nelly Stéphane André François

サヴィニャックとともに20世紀を代表するフランスのグラフィックデザイナーの一人、アンドレ・フランソワの「いたずらロラン」です。

「パンチ」や「ヴォーグ」などの雑誌の表紙や、セリーヌ、プレヴェール、レーモン・クノーなどの作品の挿絵などでも知られている彼の絵本作品です。

グラフィックデザイナーの絵本ということで、やはり色使いや画面構成にその一見歪んだタッチとは裏腹な鋭さが見て取れます。

お話は、主人公の男の子、ロランの想像力の羽ばたくままに楽しく展開していきます。どことなく長新太さんを思わせもしますね。「シュール」とは言わずもがな「シュルレアリスム」から来ている日本の言葉ですが、この絵本はその故郷フランスらしく本来の意味としてのシュルレアリスムの系譜の作品としても読むことが出来そうです。

とは言っても、子供の想像力はいつだって「シュルレアリテ」なのだと思います。

お話も絵も、何処をとっても、素晴らしい、子供から大人にまで本当にお薦めできる絵本です。

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