「KATY AND THE BIG SNOW」Virginia Lee burton

優れた絵本をつくる優れた絵本作家はわりといる気がしますけれど、偉大な芸術家たる絵本作家というものは少なく、本当に、指で数えられるほどにしかいない気もします。

個人的にはこのバージニア・リー・バートンは、そんな偉大な芸術家でもある素晴らしい絵本作家だと思っています。

それはこんな、いかにも子どもの喜びそうな「はたらく車」の絵本でさえ、充分に感じることが出来るのはすごいことです。

バートンは、より芸術性の高い仕事、例えば「ロビンフッドの歌」のような作品も作りましたが(そしてそれは本当に素晴らしいものですが)、それよりも多くの、ただ単に子どもを喜ばせたい、その一心が制作の動機にあるような絵本を数多く作っています。

ケイティー、メイベル、マイク・マリガン、ちゅちゅう、どれも動機は子どもの好きなもので絵本を作ろう、そう思って作り始めたように思えます。

けれど一度作り始めると彼女はその作品に自分の芸術のすべてを注ぎ込んだのでした。

自分の作品に対する完璧主義者だった彼女は一つの作品の細部に延々とこだわり、手直しをし続けるので、それを止めさせ、作品を出版することに、編集者はいつも苦労したそうです。

この絵本もお話はシンプルで、大雪で町のすべてが麻痺してしまったその日に活躍する除雪車が主人公のお話なのですが、その絵の細部、全体の画面構成など、彼女にしか描くことの出来ないような部分(部分であるのですがそれが宇宙のようにも感じられる深さを彼女の絵は持っています)が溢れています。

バートンは文字の部分も含めた画面構成にもとても拘っていたので、それは日本語版では少しだけ見劣りしてしまうので、大人の方には英語版をお薦めしまが、絵本の全体を通して感じる楽しさは、もう子どもには堪らないものであると想像できます。

大雪の日に、待ってましたとばかりにけいてぃーが動き始める場面では、狂喜乱舞する子どもの姿が目に浮かぶようです。

本日はこの「はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」の日本語版、英語版ともに入荷しておりますので是非オンラインストアでもご覧ください。

英語版の方は古い刷りで(恐らく60年代)、紙の感じも良いので、お薦めですよ。


当店在庫はこちらです。

KATY AND THE BIG SNOW」Virginia Lee burton

はたらきもののじょせつしゃけいてぃー」バージニア・リー・バートン

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