前回モンヴェルのジャンヌ・ダルクの絵本を紹介させて頂きましたが、今回はモンヴェルとアナトール・フランスによる絵本「NOS EANFANTS」と「FILLES ET GARCONS」の2冊の絵本です。
この2冊もパリで買い付けてきた本で、1920年頃と1930年頃の刷の2冊です。
刷の年代に関しては本の中に発行年の記載がないので難しいのですが、表紙の出版社名の表記が「HACHETTE」のものと「HACHETTE &CIE」となっているものがあり、調べたところ「HACHETTE」のみの表記の方が新しいものだと推測出来ました。(30年代以降の同社の出版物について確認出来ます)
また本の中に献呈の書き込みがあるのですが、それも上記の推測と矛盾しない日付が書き込まれてもいました。
元々この2冊の絵本は1887年に1冊の「NOS EANFANTS」と言うタイトルで出版された1冊の絵本だったのですが、1900年以降は2冊「NOS EANFANTS」と「FILLES ET GARCONS」に分冊された絵本なんですね。
アナトール・フランスとモンヴェルはこの本の制作の前より親交があったそうです。はじめにモンヴェルが子どもたちをモデルに描いたクロッキーをフランスに見せ、それにインスピレーションを受けたフランスが短いエッセイ集を書きました。
そこからまたモンヴェルが挿絵を描き、本書が誕生したのでした。
この本はベルリンコレクション復刻版を以前紹介させて頂きました。復刻版も美しく復刻されたものでしたが、この100年近く前の刷の絵本も素晴らしいです。
「FILLES ET GARCONS」(1930年代の刷)のほうは既にお買上げ頂きましたが、より古い刷の「NOS EANFANTS」(1920年頃の刷)のほうはまだございます。
こちらの古い刷のほうは30年以降の刷とは印刷している工房も違い(新しいものは自社印刷所)色の出方も目で見てすぐわかるほどには違います。古いもののほうがより色が強く出ていますね。
残念なのは収録されているカラーページが何ページか本から落ちてしまっているのですが(ページ自体は全て残っています)反対に考えると、落ちてしまっているからこそ、その絵を額装して楽しむことも出来るかと思います。
本としては落ちていない方が勿論良いのですが、本として完全な状態だと中のページを額装することなどは難しいので、反対にこういうコンディションだからこそ楽しめる方法があるのは素敵ですね。
上げた写真のように並べて飾ってみては如何でしょうか。
また先日紹介させて頂いたジャンヌ・ダルクの古い刷の絵本も既にお買い上げ頂きましたが、代わりに本日はフランス語版の新しい刷のもの(1990年)もオンラインストアの方に更新しております。こちらは手に取りやすいお値段ですので、もし良ければ見てみて下さい。
当店在庫のフランス絵本の在庫はこちらです。
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