「Frorian und der Kastanienbaum」Milena Lukesova Jan Kudlacek

立冬も過ぎ、もう暦の上では冬ですけれど、東京近郊では道端の葉も色づき、落ち葉が足許で風に吹かれているのを見つけられる、体感としては、秋の盛りを迎えているような季節ではないでしょうか。

このヤン・クドゥラーチェクの絵本「Frorian und der Kastanienbaum」(ドイツ語版。チェコ語版オリジナルタイトルは「Jakub a babí léto」)は以前は日本語版では「あき みつけた」(絶版)の題で発売されていた絵本です。

主人公の子ども(ジュリアン:日本語訳版)が、森へ散歩へ行き、栗の実を拾ってくる、それだけのお話なのですけれど、この絵本の中には、様々な声が溢れています。

主人公のジュリアンの声、元気に飛び出して、森へ向かいます。

それを見送るひまわりたち。黒い小鳥は、ついておいで、とジュリアンを先導します。森では他の子どもたちも楽しそうに栗拾いをしています。

うらやましそうに見るジュリアンに、かしの木と風が、どんぐりを、ジュリアンへぱらぱらと落としてくれる。

どんぐり、まつぼっくり、赤いバラの実、みんな可愛いダンスをして、リスは見物。

栗の実を拾って帰ってきたジュリアンを迎える、ひまわりと、母親。

クドゥラーチェクの描く眩しいほどの秋の色に、瞳はいつの間にか染まって、この絵本から聞こえる、風の音や、秋を彩るすべてのもの達の声に、耳を澄ませています。

お話を書いているのは、ミレナ・ルケショバー。

現在唯一日本語版が現行で出ているクドゥラーチェクの絵本「おんなのことあめ」もこのコンビの絵本でしたね。

季節ごとに飾る花や絵を変えるように、季節の絵本を手許に置くのは如何でしょうか。


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Frorian und der Kastanienbaum」Milena Lukesova Jan Kudlacek

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