「カットのエスプリ」「旅のイラストレーション」安野光雅   Anno Mitsumasa

本日は安野光雅さんの本が多数入荷しております。その中でも少しだけ珍しい本はこちらの2冊「カットのエスプリ」と「旅のイラストレーション」です。

岩崎美術社の「双書 美術の泉」の中の2冊で、「旅のイラストレーション」は1975年の1年間にわたって週刊現代に連載された本田靖春さんのドキュメントの挿絵をまとめたものです。

「カットのエスプリ」は「ホームソング」という楽譜集に描きためたものをまとめたものですね。

2冊ともモノクロのイラスト集なのですが、その分、安野光雅さんの仕事の細部を確かめられるようで、興味深く見ることが出来ます。

あとがきに安野光雅さんが書いている文章が素敵なので引用させて下さい。

「やはり、カットは紙面のスペースを埋めるためのものでもなければ、文章の内容を図解的に補足するものでもないのです。ちょうど、大切な本にはさんだ押し花のように、なくてもいいけど、あれば、それは、無機質な活字の紙面に、手づくりの彩りをそえるものです。たとえ下手なカットでも、見る人は、その押し花から、何等かの匂いをかぎとってくれるでしょう」


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