週末は日本民藝館で開催されている芹沢銈介展へ行ってきました。人間国宝である染色家芹沢銈介さんの生誕120年を記念した展覧会で、初期から晩年までの作品を紹介し改めてその創造の世界を振り返ることのできる内容でした。
染色というと、何となく藍色のイメージが強かったのですが、芹沢さんの作品では朱色の鮮やかさに目を奪われます。蛍光色のような発色の良い朱色は、藍色や黄土色に華やかさを添え、しかし何故かとても調和して見えるのです。
また、ひらがなや漢字といった文字を、絵や模様の中に巧みに織り交ぜた作品が多数ありましたが、その見事な組み合わせに、日本語の持つ丸さと言いますか、しなやかさのようなものが強調され、文字の持つ魅力に気付かされもしました。
他にも、芹沢さんが師と仰いだ唯一の人物で、日本民藝館の創設者でもある柳宗悦さんとの仕事が多数紹介されており、個人的には装丁の仕事を沢山見ることができたのが嬉しかったです。
会場で流されていたインタビュー映像では、芹沢さんがたくさんの民芸品を所有していることに関して、「コレクションしたわけではなく、面白いものが勝手に集まってきた」というようなことをおっしゃっておりましたが、当店もそんな風に魅力ある本が自然と集まってくるような店になるといいな、などと思ったりしました。
日本民藝館には別の展示で何度か来たことがあったのですが、こんなに多くの人で賑わっているのは初めてで、芹沢さんの人気の高さが伺えました。ご興味のある方は是非行ってみてください。
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