「BEDTIME!」Beni Montresor

眠る前の甘美な瞬間。

もうウトウトしていて、ベッドに入って、布団をかぶって電気を消して、心地よい睡魔が自分を異世界へと連れて行ってくれるような感覚。

こうした感覚も、子どもの頃はもっと強くあった気がしてよくよく思い出してみると、昔住んでいた家の天井のシミや、仄暗く、ぼんやりとひとつだけの赤色灯の色を見上げていた記憶とともに、甘い感覚を伴って蘇ってきます。

7月に「I Saw a Ship A-Sailing」を紹介させて頂きましたBeni Montresor(ベニ・モントレソール)ですが、本日はモントレソールの絵本を4冊更新しましたのでその中からこの「BED TIME!」を紹介させて下さい。

お話はある幼い男の子が主人公のお話です。

はしまりはこんな風

“Bedtime!” a voice said to Daniel.

両親に、もう眠る時間、そう言われたダニエル。

ですが彼は嫌がって走って逃げるのです。逃げた先は魔法の城。そして長い廊下、幾つもの部屋を通り抜けて…。

ダニエルは魔法の城の中で、天使や悪魔など不思議な友達に出会い、愉快に遊ぶのですが、その「Bedtime!」と言う声はいつまでも付いてくるのです。

そして最後には不思議に誘導されて、イヤイヤながら(?)ダニエルはベッドに入るのです…が…。

このモントレソールの不思議に強烈な色彩の、絵の効果もあって、出だしから既に夢の中の世界のお話、とも読めてしまうのですが、そこがもう夢の中であったとしたら、このラストシーン(是非読んでみて下さい!)は夢の中から一体どこへ行くのでしょうか?

もう眠る時間!!そう怒られて、イヤイヤながらベッドに入って、でもそれは大人を騙すための演技でほんとうは、ベッドの中から旅立っていく。子どもの想像力、遊ぶ力のとんでもない強さ、そこには天使が良くて、悪魔が悪い、なんて区別も存在しない、みんな素敵な遊び相手なんですね。

私がこの本を最後まで読んだときの感想はほんとうに「この絵本最高!」のひと言でした!

子どもが読んでも大人が読んでも、何だか勇気をもらえる、自由な心を持つことを肯定されているような、そんな素敵な絵本です。


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BEDTIME!」Beni Montresor

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