ある街を紹介する絵本というのは色々ありますけれど、そのどれもが見ていると何だかワクワクして楽しく、この感覚っていうのは子供の時からずっと変わっていないものなんじゃないかな、と旅や街の本や絵本を見るたびに思いますね。
この絵本「MANHATTAN ISLAND」もそんな気分にさせてくれる絵本です。
タイトルの通り、ニューヨーク、マンハッタン島の生活や特徴を描いた絵本で、朝の時間から始まり、人々の行き交う様子、仕事をする様子、そこではどんなことが出来て、どのように人々が生活をしているかが描かれています。
1957年に作られた絵本ですので(当店在庫商品は1957年初版本です)、今のように環境問題などはあまり一般的ではないせいか、どちらかと言うと都市化を肯定する傾向がほんの少しだけ引っかかりますが、反対に、アメリカ、特にNYの人種を始めとしたその多様性を力強く肯定し、それをアイデンティティとして提示している部分には、今一度現代の社会も見習わなければいけないな、と思わされますね。
お話を書いているのはMay Garelick、と言ってもあまりピンとこないかも知れませんが、レナード・ワイスガードとの美しい絵本「あめがふるときちょうちょはどこへ」の作者と言ったらわかるでしょうか。
日本語に訳されている本はこのワイスガードとの絵本くらいのようですが、アメリカでは多くの子ども向けの本を出版しています。
そしてNYマンハッタンの風景や人々を美しく楽しい木版画で描いているのはJohn Ross & Clare Romano Rossです。
この二人は自身の作品も制作しながらも、建築やアートの分野で有名なブルックリンのプラット・インスティテュートでも教鞭をとった、版画の専門家なんですね。版画技法についての本も出版しています。
彼らは木版画特有の線を、音楽的と言って良いほどの楽しいリズムが感じられる画面に仕上げており、木版画がしばしば持つ何処と無く土着的な雰囲気とは違った、洗練された都会的な絵を見せてくれます。
遠くの見知らぬ場所や土地についての本というのは、ほんとうに不思議と魅力的ですね。
是非在庫はこちらです。
「MANHATTAN ISLAND」May Garelick John Ross & Clare Romano Ross
「あめがふるときちょうちょはどこへ」メイ・ゲアリック 文 レナード・ワイスガード 絵
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