もしかしたらメアリー・ブレアの絵本を紹介するのは初めてかも知れません。
ディズニースタジオ周辺の50’sのアメリカの絵本作家は度々紹介して来ましたが、その中でも代表的な作家のひとり、この素晴らしい作家の「I CAN FLY/わたしはとべる」が入荷しました。
数年前にはこの日本でも大きな展覧会が開催されたので、ご存じの方も多いと思います。1939年にディズニーに入社した彼女は「シンデレラ」(1950)「ふしぎの国のアリス」(1951)「ピーター・パン」(1953)など、いくつもの作品のカラー・スタイリスト、そしてコンセプト・スケッチ(草案)を手掛けました。
この絵本「I CAN FLY」は1951年の作品で、ルース・クラウスとともに作った、自由でピュアなとても美しい絵本になっています。
主人公はひとりの女の子です。
とりはとべる わたしだってとべる
こんな風に始まるこの絵本は、女の子が色々に生き物の真似をして、真似と言っても、私達大人の考える「真似」とは違って、ほんとうにそのものになりきって、だから自由に女の子は何にでもなれて、歌って、踊って、子どもの心の思うままに、その心についていくように、読者を導いてくれる楽しい絵本なんです。
ルース・クラウスのお話、と言いますか詩はいつも本当に素晴らしいですね。
彼女は「自分の作品のすべては、子どもたちからもらったすてきなことごとを、子どもたちに返すための作業の結果です」と語っていたそうです。
谷川俊太郎さんによる日本語の訳文も、原作の持つリズミカルで、楽しく可愛らしい文章を、見事に日本語で表しています。
そしてメアリー・ブレアの絵は言わずもがな楽しく、美しく、デザイン性豊かで、小さなお子様から楽しめ大人の目にもその芸術性の高さが感じられます。あるページでは、ドナルドダックが小さく描き込まれていたりと、そんな遊び心もあるんですよ。
日本語版、英語版(リトルゴールデンブックス)、そして英語版の「The Art and Flair of Mary Blair」も只今在庫がございますので、どうぞオンラインストアでもご覧ください。
当店のメアリー・ブレアの本はこちらです。
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