「Sport und Spiel」K.F.E. von Freyhold

21世紀の復刻版ではありますが、20世紀初頭に活躍したドイツの画家、絵本作家のK.F.E. von Freyhold（フライホルト）の絵本が本日入っております。

オリジナル版は美しい石版画で刷られた美しい絵本で、あの詩人のリルケにも愛された画家なんです。

堀内誠一さんはフライホルトの作品を「マチスのような色で現代美術を絵本に取り入れた」と紹介もしています。

1908年のフライホルトの「Osterbuch」によって、（当時の）現代美術の潮流を汲んだ、大胆な配色の実験、形の簡略化が美しい一冊の絵本として結実し、子どものための本の新しい表現を切り開いたのでした。

当店に入荷したものはそれに先立つ1906年の作品「Sport und Spiel」（スポーツと遊び）です。

既にフライホルトの絵はその独自の絵を確立しており、色彩、形は、楽しさと喜びに溢れているように感じられます。

テキストはなく（ドイツ語による解説が巻末に付いていますが）、絵だけの絵本で、タイトルの通り、子どもたちが自然の中で遊ぶ様子が、想像的に描かれています。鳥の背に乗り、大海原を航海し、子羊が引く乳母車に乗り…、子どもたちの天国のように描かれた世界は、読むものを幸福な気分にさせてくれます。

アンドレ・エレ、フランソワーズ、遠く日本では西巻茅子さんなど、他にも数多くの絵本作家たちの、源のひとつであるフライホルトの作品を是非ご覧ください。

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「Sport und Spiel」K.F.E. von Freyhold