本日はベニ・モントレソールの「I Saw a Ship A-Sailing」が入荷しております。
モントレソールは日本では「ともだちつれてよろしいですか」(コールデコット賞受賞作)の絵本で良く知られているでしょうか。
絵本作品も幾つも描いているのですが、本当に多彩な芸術家で、舞台美術、オペラ演出、映画監督、衣装デザイナーなど様々な分野で活躍をしたアーティストなのです。
彼が描いた絵本では、掠れた線と特異な色彩感覚で見るものを魅了するのですが、この「I Saw a Ship A-Sailing」ではその色彩感覚が文字通り爆発しています!
まるで全ての色が反転しているかのような、強烈な極彩色の世界が創り出されており、そんな世界を旅する二人の少年少女のお話は「Witches of Venice」(フィリップ・グラス(!!)が手掛けたオペラの絵本です。モントレソールが絵本を作っています)の続編的なお話なんですね。
タイトルの「I Saw a Ship A-Sailing」もマザーグース一節ですが、マザーグースを基にして、少年少女の冒険のお話世界を作り上げています。ハンプティ・ダンプティも登場していたりしますよ。
サイケデリックな色彩で、怪物たちは跋扈しているし、まるで悪夢の中の世界が描かれているようにも思えるのですが、それでも怖かったり、気色が悪い感じが全くしないのは、主人公の二人、このふたりの男の子と女の子がほんとうに楽しそうにこの世界を冒険しているからでしょうか。
前書きで、モントレソールはこの絵本をフェデリコ・フェリーニに捧げているのですが、この絵本はフェリーニとも共通する世界観(8 1/2など)をも感じさせますね。(モントレソールはフェリーニとも仕事をしているそうです)
美しく楽しい、そして唯一無二の世界が描かれている幻想的な絵本です。
是非オンラインストアでもご覧下さい。
当店在庫はこちらです。
「I Saw a Ship A-Sailing」Beni Montresor
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