本日はリロ・フロムの絵本を数冊更新しております。
ドイツ語の原書のものも更新しましたが、日本語の「ABCのやまむこう ドイツのわらべうた」もございます。
その中のドイツ語ペーパーバック版の「Der Eisenhans」(鉄のハンス、グリム童話)はフロムの魅力が味わえる絵本で素晴らしいのですが(また、巻末にフロムの他の絵本の広告ページがあったりするのも面白いです)、この日本語版の「ABCのやまむこう」でもフロムの絵の魅力は深く味わうことが出来ます。
「ドイツのわらべうた」と副題がついている通り、ドイツで親しまれているわらべうたにリロ・フロムが絵を付けたものですね。
中にはマザー・グースの歌も見られますが、聞いたことのないものもありますね。
一番気になったのは次の歌で
ねんねんころり こどもたち
とうさんこんやも ひつじばん
かあさんこだちを ゆするたび
ころりんゆめが ふってくる
ねんねんころり こどもたち
不思議な歌ですね。
付けられているフロムの絵も素晴らしいです。
…木立を揺するお母さん。夢が落ちてくる…。
フロムは、本当に夢の中のような絵を描きます。何処か不穏で、ちょっぴり怖いけれど、でもそこに何か自分の知らない深いものがあるような気がしてくる絵なのです。
それはまるで幼い頃に感じていた「夜」のような、怖さと好奇心が入り交じった不思議な感覚。そうしたものを思い出させてくれます。
大人が絵本を読む喜びのひとつは、もう失われてしまった子どもの頃の感覚を追体験し、再び取り戻すことの喜びである気がします。
リロ・フロムの絵本を見るといつも、そんなことを思わされます。
本当に、特別な作家さんだと感じています。
当店のリロ・フロムの絵本の在庫はこちらです。
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