「SKAZKI 昔話 美わしのワシリーサ」イワン・ビリービン

こちらはロシアの古典絵本の大作家、イワン・ヤコーヴレヴィッチ・ビリービンの「昔話 美わしのワシリーサ」と言う絵本です。

ビリービンは以前にも一度紹介したことがあるのですが、アール・ヌーヴォーや日本の浮世絵の影響を感じさせる、繊細で豪奢な絵を描きました。当時出版された絵本は、ペテルブルグの帝室文書印刷局による多色石版画で刷られた、それはそれは大変に美しいもので、コレクターズ垂涎の今ではかなり高価なものになっていますね。

しかし、それに値するほどの美しさを放つ絵本だと言えるのでしょう。2014年に出版された「ビリービンとロシア絵本の黄金時代」にてその書影を見ることが出来ます。

お話は幼くして母親を亡くした女の子ワシリーサの物語。継母に虐められるところやロシアの魔女(バーバ・ヤガー)が登場するところなど、シンデレラとの共通点もちらほら見えるのは興味深いですね。

一ページ一ページ、文字の部分も含めて装飾枠で彩られたそれらは美しいと言う以上に不気味で素晴らしく、細かな文様、象徴的な動物/植物はただ単に美的な要素として散りばめられたのではなく、おそらくイコノグラフィーを意識してビリービンは描いているのだと思われます。

人面の鳥、森の中のキノコ、カラス…。ビリービンはロシアの古い細密画やイコンから多くを学んだそうで、彼の伝統への意識が強く感じられもします。

当店在庫商品はベルリン・コレクションによる復刻版ですが、本書はこのシリーズの中でもモンヴェル、クライドルフの絵本と並んで特に人気が高く、バラで見ることは滅多にないものです。

ビリービンの日本語翻訳版絵本の在庫もございますので、是非オンラインストアのほうでも御覧ください。

当店在庫はこちらです。

SKAZKI 昔話 美わしのワシリーサ」イワン・ビリービン

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