「銀河鉄道の夜」

シバタリョウ個展「本の渚」も残すところ明日、明後日のあと2日となりました。

昨日紹介した「プラテーロとわたし」からの作品『夜想曲』は早速、遠方の方からのご注文を頂きました!

遠くのお客様にもお届けすることが出来てとても嬉しく思っております。

そして、こちらは今回の「本の渚」展のメインビジュアルに使用している「銀河鉄道の夜」から、絵の作品名も『銀河鉄道の夜』です。

(現在作品の3分の2以上は販売済みなのですが、こちらの絵はまだ購入可能です)

この作品についてはインスタライブ(現在は当店のIGTVで視聴可能)の配信でも詳しくシバタさんにお話を伺いましたが、場面としてはジョバンニが銀河鉄道に乗る(迷い込む?)直前の丘の上から町を見下ろし、そして夜空の星々を見上げる場面ですね。

ジョバンニの寝転ぶ丘の野原、遠く列車の車窓の明かり(真ん中の黄色い部分です)そして頭上の天の川。

天の川ではまるで音楽が鳴り響くかのように描かれ、植物のような水草のような姿もあり、何と言いますかものすごく生的(生命的?)に描かれています。

この天の川の姿は、下に描かれているジョバンニの横顔のシルエットにも似ていて、この部分はシバタさんは意識して描いたのだそうです。

天の川の中に命あるものの姿が描かれている(それらは更に天上の登っていくところのようにも見えます…)ことは、この物語が持つ死の予感との対比もあり、「銀河鉄道の夜」の物語の奥行きを更に深めているように感じられます。

今回の展示のタイトル「本の渚」はシバタさんに付けて頂いたのですが「渚」という水際の、水中でもなく、地上でもない(しかし水中でもあり、地上でもある)部分、その淡く儚い漂う、あちら側とこちら側の隙間、その不思議な『地帯』はこの「銀河鉄道の夜」のこの場面もまさにそうなんですよね。

幻想的、夢幻的な銀河鉄道に乗り込んでしまう前の、現実世界の、端っこ。

こんな事を言うのは直接的過ぎるかもしれませんが、この時にはきっとまだ、カンパネラは生きていたはずです…。

幼い頃からの親友が、今まさにこの美しい、生命たちの天上への川を登っていかんとする…。(神さまの御許へ…)

この絵が縦長で表現されているのも、こうした宗教的な感触が現れたものだと、自分は解釈しています。

この『銀河鉄道の夜』の美しく切ない物語を瑞々しい感覚で切り取った、とてもとても、美しい絵です。

ぜひオンラインストアでも、店頭でも御覧ください。

オンラインストアも店舗での開催と同じ、日曜日の18時までとなっております。


当店オンラインストアのシバタリョウさんの作品はこちらです。

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