「The Babes in the Wood」「The diverting history of JOHN GILPIN」Randolph Caldecott

ランドルフ・コールデコットの名前は日本ではその作品よりもその賞の名前でよく知られているでしょうか。

こちらはオズボーン・コレクションの復刻シリーズで、コールデコットの作品が2冊セット(「The Babes in the Wood」「The diverting history of JOHN GILPIN」)になったものです。

ともにコールデコットの代表的な作品ですが「ジョン・ギルピンの愉快なお話」は特に有名で、皆さんも見たことがあるかと思いますが彼の名前を関した絵本の賞、コールデコット賞の受賞絵本に印刷されていたり、シールで貼られているメダル(男の人が馬に乗っているものです)はこの絵本からのデザインなんですね。

この絵本の中心的なイメージ、疾走する、臨場感のあるこの馬の絵を見ると、ジョン・フォードの映画を思い出してしまいます。駅馬車の、馬で駆け抜ける迫力あるシーンのイメージの源泉はここから来てるのではないかと思ってしまったりします。

お話はと言うと、このジョン・ギルピンと言う名の男のドタバタ劇です。

ジョン・ギルピンは家族と食事をしにレストランへ向かうのですが、ひとりあぶれてしまい馬車へ乗れませんでした。そこで彼は、ひとりで別の馬に乗ってレストランへと向かうのですが、暴走する馬に乗ってあっちへ行ったりこっちへ行ったり、追いかけて追い掛け回されて….。

コールデコットのユーモアが最大限に楽しめる絵本ですね。

もう一つの絵本「森の中の子どもたち」は一転して悲しいお話です。両親を亡くした幼い兄妹が引き取られた親戚の家で次第に疎まれるようになり、遺産に目がくらんだ叔父に命まで狙われてしまいます。ある人物の助けで一旦は逃げ出すことが出来るのですが、結局、最後には悲しい結末が待っています。

このお話はイギリスでは古くから伝わるお話のようです。

現代絵本につながる表現形式を形作った一人として、歴史に名を残している巨匠の絵本作品を、オリジナルに忠実に復刻した美しいこの復刻版で楽しんでは如何でしょうか。

ちなみにオリジナル版は

「The Diverting History of John Gilpin」1878年

「The Babes in the Wood」1880年

ともう140年近く前の作品なんですね。


当店在庫はこちらです。

The Babes in the Wood & The diverting history of JOHN GILPIN」Randolph Caldecott

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