「ガラスのジゼル」ベアトリーチェ・アレマーニャ

本日はベアトリーチェ・アレマーニャの「ガラスのジゼル」が入荷してきました。

アレマーニャの絵本は以前に「カール・イブー」を紹介したことがありますので、覚えている方もおられるかと思います。

この絵本ガラスのジゼルは、発行していた出版社が既に解散してしまっているため絶版になっているので、中々手に入れづらい本になってしまっています。とても美しい絵本なのですけれど。

ある村にガラスの子どもが生まれました。女の子で、名前はジゼル。

彼女はガラスなので、いつも透き通っています。

「夕焼け色に染まってゆく、

光のなかで無数の鏡となってゆくものたち。

ジゼルはきらきら輝きながら、

あらゆるものと溶け合った」

けれどジゼルの考えていることも透けてしまって「その思いは空中の風船のようにぽっかりと浮かんだまま、だから開いた本のページみたいに、みんな彼女の心を読むことが出来た」

子供の頃はそれで良かったのですが、大きくなるに連れて、皆は彼女を避けるようになります。彼女の頭に映るものには、いつも真実が映っているから。

少しだけ悲しい、皮肉の混じったお話なのですが、全体を貫いているのは優しいユーモアで、ジゼルの強さに胸が打たれます。

アレマーニャ得意のコラージュと手書きを組み合わせた絵(この手法を用いる作家さんは何人もいますけれどアレマーニャが一番素晴らしい仕事をしていると思います)そしてお話の内容にも重なるように、幾つかのページはグラシン紙のような紙で描かれ、透けるような仕掛けになっているのも美しく、またその表現に圧倒されます。

この絵本もアレマーニャの代表作のひとつと言って良いかと思いますが、もうひとつ彼女の絵本でお薦めの絵本「Un Lion a Paris」が先頃、英語版「A Lion in Paris」としてお値段も少しお買い求め安くなって出版されております。こちらは当店に在庫は無いのですが、ご希望でしたら新刊を取り寄せることが出来ますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

当店在庫はこちらです。

ガラスのジゼル」ベアトリーチェ・アレマーニャ

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