こちらはイタリア出身の絵本作家、Maria Erica Agostinelli(マリア・エンリカ・アゴスティネリ)の絵本「Ich weiss etwas was du nicht weisst」です。
イタリアの絵本作家ではありますがこの絵本は1975年にドイツで出版されたもので(初版は1969年)ドイツ語になります。
テキスタイルデザインなどの分野で活動していたアゴスティネリが絵本作家として活動を始めたのはイタリアの作家イタロ・カルヴィーノが自身の作品「木のぼり男爵(1964年版)」の挿絵画家として推薦したことがきっかけでした。
その後彼女は絵本の仕事をはじめ、多くの作品を描きました。お話も自作したものは数冊だけなのですが、そのうちの1冊がこちらの本、日本語に訳すと「きみのしらないこと、しってるよ」です。
最初のページでは炎のようなものが見えます。
たいへん!何か燃えている!家かな?木かな?干し草かもしれないそれとも台所の火かな?
でも、ぼくはしってるんだ
ほんとはね
火じゃなかった
にわとりのとさかなんだ
ページをめくるとそんな炎のようなとさかを持ったニワトリが描かれています。
こうした調子で次のページに出てくるものを予想しながらめくり、楽しめる絵本になっています。
花かごだと思ったらぼうし、ぼうしだと思ったら傘、傘だと思ったらコウモリ、こんな風に進んでいき、最後には怖そうなおじさんが出てきます。でも怖そうなおじさんだと思ったひとは….。
素敵な結末を迎える優しい絵本です。
迫力のある大きな絵で描きながらも、デザイナー出身ということを感じさせるような抑制のきいた画面構成は、同じくイタリアの絵本作家/デザイナー、イエラ・マリを思わせるところもありますので、イエラ・マリが好きな方にはお薦めです。
イラストを手がけている絵本では「おおきくてもちいさくても…」という絵本は日本語で出版されてもいます。
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「Ich weiss etwas was du nicht weisst」Maria Erica Agostinelli
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