連日クリスマス絵本を更新しておりますが、今週から来週頭にかけて後50冊ほどは更新出来ればと思っております。
こちらのアンドレ・エレの「HISTOIRE D'UNE BOITE A JOUJOUX」はクリスマス絵本というとちょっと違う気もしますが、この本の元となる「La Boîte à joujoux」は1913年のクリスマスの時期に発売されたものでした。
少し話が飛んでしまいますが、ヨーロッパでは19世紀後半に、子どもにクリスマスプレゼントとして絵本を送る流行があり、それを商機に多くの出版社がクリスマスの時期には子ども向けの本の豪華な本など、クリスマスプレゼントに向いた子供の本を多く出すようになりました。
この流行はすぐに定着し、20世紀の前半頃でもクリスマスの時期には多くの絵本が発売されています。
海外の古い絵本を多く見ると、プレゼントの書き込み(「〜から〜へ。愛を込めて」と言ったような)をしばしば見かけますが、そうした書き込みの90%ほどはクリスマスに贈られたものを示す書き込みがあります。
今でもクリスマスプレゼントに絵本をプレゼントをするのは定番だと思いますが、わざわざ出版社がこの時期に合わせて多くのプレゼント用の絵本を出版する、と言ったことまではもうないでしょうか。
話がだいぶ逸れてしまいましたが、アンドレ・エレの絵本に戻ると、この絵本「HISTOIRE D'UNE BOITE A JOUJOUX」はあのクロード・ドビュッシーとの共作絵本「La Boîte à joujoux」のリメイクとも言える絵本です。
「La Boîte à joujoux」は以前にも紹介したことがありますが、おもちゃの人形を主人公にした子どものためのバレエ作品を構想していたエレがドビュッシーを訪ね、形になったものでした。
ドビュッシーは娘(愛娘のシュシュ「Chouchou」、この本のタイトル「joujoux」とも近い語感は偶然ではないでしょう)も喜ぶだろうと、この作品の制作をとても乗り気だったそうです。
ですが、第一次世界大戦の勃発やドビュッシーの健康の悪化などあり、バレエの舞台はドビュッシーの存命中には行われませんでした。(ドビュッシーは1918年に亡くなってしまいます)
1919年の最初の舞台で、エレは衣装、舞台装置などを手掛け、また行われる公演の度にそれを更新し続けたそうです。
その後発展、更新を続けていったこの舞台から、また元の絵本の形に戻して見たいというエレの思いがあり、1926年にエレは「La Boîte à joujoux」をさらに肉付けし絵も描きなおし、より子ども向けにと練り直した本書「HISTOIRE D'UNE BOITE A JOUJOUX」を出版するのでした。
当店の在庫品はこのオリジナルを元に、2012年にフランスの出版社editions memoが復刻をしたものです。
玩具の人形たちの、冒険と恋のものがたり。
20世紀前半を代表するフランスの偉大な作曲家とイラストレーターが、子どものために作った、可愛らしくも美しい絵本をどうぞオンラインストアでも御覧ください。
※この絵本は度々入荷しますので、売り切れてしまった際にも、商品ページより再入荷お知らせメールの登録をして頂けると幸いでございます。
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